2020/03/16
殺菌・抗菌・除菌・滅菌・消毒… 何が違う?効果は?
「殺菌」「除菌」「消毒」「抗菌」「滅菌(めっきん)」などと書かれているものがありその違いって何なのでしょうか?
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まず、2つに大きく分けられます。
①菌を殺す=殺菌
菌を殺すのが「殺菌」で、医薬品医療機器法(旧・薬事法)に基づき、医薬品・医薬部外品として厚生労働省の表示が必要です。
「殺菌」の中に、「消毒」と「滅菌(めっきん)」という分類があります。
- 「消毒」は病原性のある細菌(病原菌)をターゲットにした言葉で、感染症を防げる程度まで病原菌を殺すこと。物体や生体に、付着または含まれている病原性微生物を死滅または除去させ、害のない程度まで減らしたり、あるいは感染力を失わせるなどして毒性を無力化させることをいいます。
- 「滅菌」病原性の有無にかかわらずすべての微生物を殺すことであり、高圧水蒸気や強い消毒薬で処理するなどして完全に微生物を死滅させる方法です。つまりすべての菌(微生物やウイルスなど)を、死滅させ除去することで、日本薬局では微生物の生存する確率が 100万分の1以下になることをもって、滅菌と定義しています。
**ガーゼなどのパッケージに「滅菌済」という表示は、封の中には生きた微生物が存在しないことを意味しています。
②菌を殺さないが増殖を抑える
菌を増やさないようにすること。それぞれの製品の業界団体が表示の自主基準を定めています。
この中に、「抗菌」と「除菌」という分類があります。そして、抗菌も除菌も、あくまで「増やさない」ようにしているのであって、菌を殺しているわけではないという点がポイントです。
「抗菌」とは菌を殺したり減少させるのではなく、繁殖を阻止することです。
1980年代から工業製品の「抗菌加工」がブームになり、1998年に当時の通商産業省(現・経済産業省)が「抗菌加工製品における抗菌とは、当該製品の表面における細菌のみの増殖を抑制すること」とガイドラインで定義しました。
このため、抗菌加工製品でいう抗菌は「増殖抑制」を表します。カビ、黒ずみ、ヌメリは効果の対象外とされています。
「除菌」の言葉の定義は、洗剤やウェットティッシュなどの業界団体がつくった、試験方法や自主基準の中に記されていて、ウェットティッシュなら「除菌効果のないものを使ったときと比べて、対象となる硬い表面(手指などの身体部分を含まない)から生きた細菌数をある程度減らすこと」を意味しています。学術的な専門用語としてはあまり使われていない言葉です。
「~菌」による調査:対象20代~50代主婦200人
「身体や健康に害を与える菌を死滅・取り除く」というイメージに関しては、「消毒」が最も高く、次いで「菌も落とす」、「除菌」、「抗菌」、「菌に働く」の順であり、複数回答を求めた設問にも係らず「全ての菌を死滅・取り除く」イメージの強い「滅菌」、「殺菌」が低かったと出ています。これは、生活者が製品、CM、メディア等でよく見かける菌の制御に関する用語に対して、身体や健康に害を与える菌と高い関連付けが「消毒」「除菌」には多く、「滅菌」や「殺菌」は生活者が日常見たり・聞いたりすることがあまりないため、生活者の中での関連付けが薄いためと考えられています。
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このようにイメージと効果のギャップがあるようです。
用途に応じた効果的な菌の退治、そして感染を予防するための参考になればと思います。