香りは脳に直接届く? ストレスと香りの不思議な関係 (コーヒー編)

コーヒーの香りでリラックスタイム。

コーヒー好きの多くは、「コーヒーの香りをかぐと気分が落ち着く」そう感じていことが多いと思います。

コーヒーの香りで脳内物質の量が変化する

これまでコーヒーの研究といえば、カフェインの作用についてのものばかり。焙煎されたコーヒー豆の香りに注目した例はほとんどありませんでした。

しかし、ラットにコーヒーの香りをかがせる実験をしたところ、生まれて初めて経験する香りであるにもかかわらず、脳内ではさまざまな遺伝子・タンパク質の発現量が変化しました。このことから、コーヒーの香りはストレス抑制効果や抗酸化作用をもっていることがわかりました。

人間はストレスを受けると、脳や血中のさまざまな因子の量が変化します。 たとえば、NGFR(神経成長因子の受容体)などは徐々に減り、学習・記憶に重要な海馬という脳部位の神経細胞が死んでいきます。しかし、コーヒーの香りをかいでいるラットで実験したところ、ストレスを受けてもNGFRなどの減少を抑制することがわかりました。

 

“香りをかぐこと”がいいらしい!

コーヒーのストレス抑制作用を発揮させるには、コーヒーを飲む必要はなく、香りをかぐだけで十分だそうです。疲れたときにコーヒーが飲みたくなるのは、体がカフェインを欲していると思われがちですが、香りが脳内物質の量まで変化させていたといえるのです。

余談ですが、コロンビア豆の香りを好む人が多く、 喫茶店でブレンドする場合にコロンビア種をベースにすることが多いそうです。

香りがダイレクトに脳に到達するということで、人間の脳に影響を与える嗅覚のメカニズムに注目されている分野があります。それはコーヒーとうつの関係です。

コーヒーとうつ

フィンランドの中年男性 (約2千人)を対象とした研究があります。この研究では、18年間の追跡調査中に、コーヒーを全く飲まない男性に比べ、1日に6杯以上飲む男性でのうつ病のリスクは、約70%有意に低下していました。

また、米国のNursesʼ Health Study(約5万人対象)では、10年間の追跡調査中に、うつ病が2,607件発生し、コーヒーを週に0~1 杯飲む人に比べ、1日2杯以上飲む人のうつ病のリスクは、約10%~20%有意に低下していました。

コーヒーと自殺率

米国のNursesʼ Health Study(約8万6千人対象)では、10年間追跡中に自殺が56件発生し、コーヒーを全く飲まない人に比べ、1 日2杯以上飲む人での自殺の相対リスク(リスク)は、約60%~70%有意に低下していました。

同じような フィンランド人男女(約4万人)を対象とした研究では、15年間の追跡調査中に自殺が213件発生し、1日に0~1 杯コーヒーを飲む人に比べ、1日に2杯以上8杯未満 の人での自殺のリスクは、低下傾向を示しましたが、 1日に8杯以上の人では逆に増加していました。

飲みすぎにも注意ですね。

 

 

 コーヒーの香りをかぐことに注目する点は、“コーヒーの香りをかぐ”と一瞬で気持ちをリセットする特徴をもつと考えられるからです。

かいだ瞬間に理屈抜きで気持ちが動くような点が、“香りをかぐ”ということの1つのポイントだと言われています。

視覚、聴覚など他の感覚とは異なり、嗅覚(香り)は、大脳辺縁系で処理されます。大脳辺縁系では、情緒や記憶もコントロールしているため、嗅覚からの情報は、いきなり情緒に働きかけることがその原因と考えられます。

 

 

睡眠のために、カフェインを含むコーヒー摂取に気を付けている方も多いと思います。

飲む時間と量に気を付けて、コーヒーの香りを楽しみながら、おいしくいただくコーヒーは、脳とこころのためになりそうです。

おいしいコーヒータイムでのリラックスをおススメします!


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