2020/09/18
JMMA『不眠』から抜け出したい!①
不眠症には急性不眠と慢性不眠がある
「遠足の前の日にうれしくて眠れない」、「次の日大切な会議でプレゼンがあるので緊張して眠れない」
ということはだれしも経験があるのではないでしょうか。
また、何か落ち込むことがあって、そのことで眠れないこともあると思います。その他の睡眠環境の問題、騒音などで睡眠が妨げられることもあります。しかし、これらの眠れない原因が解決すれば、いつの間にか眠れるようになります。
このような短期的な不眠を急性不眠と呼び、実は健康な睡眠習慣を続けている人の約20%が急性不眠の経験があると調査の結果があります。(米国睡眠学会発表)
この急性不眠は、健康な睡眠習慣をしていても普通に現れますが、人間の体はホメオスタシス(体の安定した状態を保つために、何か変化が起こると、それを元の状態に戻そうとするために起こる様々な変化のこと)より、自然に眠れるようになります。
しかし、長引くコロナ禍など強いストレス、不安が持続している状態が長引くことで眠れない夜が長期化してしまうと慢性不眠の状態になってしまいます。この慢性不眠は、3か月以上持続する不眠のことを指します。
困ったことに・・
慢性不眠になってしまった場合、その不眠の原因が取り除かれても不眠だけが残存し、長期の慢性不眠に陥ってしまうことがあります。
調査の結果では、急性不眠の約70%が1年後も不眠が持続し、約50%が3年以上も不眠が持続していると問題視されています。
慢性不眠にならないように、急性不眠の症状が現れた段階で不眠を改善出来ればいいのですが、
慢性不眠が増えている現代を考えると、改善対策が出来ていないのが現状のようです。
では、急性不眠から慢性不眠へと長引いてしまうと体にどのような影響が表れるのでしょうか
眠れないことで心拍数増加など、体の緊張状態が続きます。また、ストレスホルモンが過剰分泌して、高血糖・高血圧傾向になりがちです。これらの変化は、眠りを妨げる要因になり、体を目覚めやすい状態を維持してしまいます。
さらに・・・
心配事が解決したにも関わらず不眠の長期化で、今度は眠れないこと自体が不安の原因になります。
いったん不眠で悩み始めると、それが頭から離れなくなり、睡眠に関する書籍やネット情報に依存しがちです。
不眠になったら気を付けたいこと
「横になっているだけでも体が休まる」や、「眠気が来るまで部屋を暗くして静かに横になっている」
という行動をしないということです。
30年ほど前は、これらの無理に寝ようとする行動は、医学書でもいいとされていたそうです。
現代は、睡眠の研究が進み、無理に寝ようとする行動は、勧められていません。
さらに眠れないことで、今日も眠れないのではないかと緊張しながら寝る習慣がついてしまうからです。
急性不眠を慢性不眠に発展させないための対策として「夜更かしをする!?」などが推奨されています。
このことについては、また次回お話ししていきます。