JMMA『不眠』から抜け出したい!⑤

  • 不眠症で昼間の眠気や疲労感がある・・・

  • 最近忙しく、睡眠不足で昼間の眠気や疲労感がある・・・

この2つの会話、に「不眠症」と「睡眠不足」が出てきます。意味の違いが分かりますか?

実は医学的には、この2つの言葉(「不眠症」と「睡眠不足」)は全く異なる病気と定義されているんです。

不眠症と睡眠不足の違い

不眠症は「眠りたいのに、眠れない」に対して、睡眠不足は「眠れるのに、眠るための時間がない」睡眠の悩みです。

一晩中の脳波を測って睡眠の長さや深さを測定すると、不眠症と睡眠不足の違いはよく分かります。

睡眠不足では睡眠全体に占める深いノンレム睡眠の割合が非常に多くなります。これは睡眠時間が短くなると脳の休息に必要な深い睡眠が現れるためと考えられています。その分、浅いノンレム睡眠やレム睡眠が減ることで、血糖コントロールや認知機能の障害、うつ気分が出現するなど悪影響があります。

不眠症では深い睡眠が著しく減少し、浅いノンレム睡眠やレム睡眠の割合は増加します。不眠症でも睡眠時間が短くなるので睡眠不足と同じように深い睡眠の割合が増そうですが、そうはなりません。

*成人の健康な睡眠のかたち

慢性的な睡眠不足、一晩の徹夜のような短時間睡眠の翌晩には普段以上に睡眠時間は長くなります。睡眠のリバウンドです。ところが不眠症ではこのような睡眠のリバウンドがなく、短時間睡眠が長期間にわたって持続します。

そして、一般的に睡眠不足は若年〜壮年層(40歳代半ばまで)に多く、不眠症はリタイア世代(60歳代以降)で急増します。その移行期にある中年層では睡眠不足と不眠症が混在しやすいと言われています。

 

不眠症と睡眠不足では治療や生活指導が全く異なるので、判断する必要がありますがその区別をつけるのは簡単ではないのです。

 

次回は、「不眠症」と「睡眠不足」の区別はなぜ難しいのか?についてお話していきます。