睡眠負債は返済できるものなのか?

アメリカ睡眠協会によると、米国では約7,000万人の成人が睡眠障害に苦しんでいます。

また、睡眠不足による、失われた睡眠を補うことができると信じていましたが、新しい研究では

は「睡眠負債」が返済されないかもしれないことが明らかになってきたようです。

 

日本では、2019年の厚生労働省「国民健康・栄養調査」によれば1日の平均睡眠時間が6時間未満の日本人の割合は20歳以上に限ると39.1%。つまり、成人の約4割もの人が、睡眠が足りていないのです。

(*2019年の厚生労働省「国民健康・栄養調査」生活習慣調査 参照)

 

これらの睡眠不足を週末に寝ることで睡眠不足を補うことができると思うなら、もう一度考えてみる必要があります。寝だめにより、睡眠負債の返済は難しいからです。

 

マウスの睡眠不足の研究では、睡眠不足のわずか数日後に脳の細胞死につながることがわかりました。

睡眠不足のマウスは、その後1年間定期的な睡眠を取り戻しても、脳には損傷を受けており、元通りには修復できないことが分かっています。

 

脳に関するほとんどの睡眠研究は動物で行われているため、現在生きている人間の睡眠不足によって引き起こされる実際の細胞損傷の程度を測定されていませんが、確実に睡眠不足は脳にダメージを与え続けているのです。

例えば、人間の睡眠不足の脳は前頭前野の炎症を引き起こし、アルツハイマー病やパーキンソン病などの疾患に関連するタンパク質のレベルを上昇させることが分かっています。

 

睡眠は誰もが必要とする習慣であり、しかも最高レベルのメンテナンスシステムです。

年齢、性別に関係なく睡眠は私たちにとって非常に重要です。生活のあらゆる分野に影響を及ぼすからです。

 

基本的なことですが、

これだけは気をつけてほしい睡眠習慣
  • 毎日同じ時間に寝て目を覚ます
  • 寝室が暗くて涼しくて静かである
  • 午後3時以降は昼寝をせず、その前の時間の昼寝は20分以上しない
  • カフェインとアルコールを出来るだけ減らす
  • 20分経っても眠れない場合は、起きて読書などの心を落ち着かせる何かをする

 

やはり、 睡眠不足を慢性化しないこと。毎日の睡眠習慣を継続して続けること 

睡眠の負債をつくらないことを心掛けることです。

 

睡眠負債

睡眠負債は、毎日の睡眠不足が借金のように慢性的に積み重なっていった慢性の睡眠不足です。

一時的な睡眠不足なら、翌日たくさん眠ることで解消されることも期待できるのですが、慢性的な睡眠不足、睡眠負債になるとそうはいきません。

 

睡眠負債が寝だめしても解消できない理由

私たちの身体には体内時計があり、朝になると目が覚め日中に活動的になり、夜眠くなるというものです。

睡眠不足になると、日中の眠気やパフォーマンスが下がるなどの影響は出てきますが、一定の時間になれば、脳が疲れて眠くても目が覚めてしまうのです。

そのような、太陽の光を中心とした社会生活リズムが私たちにはあり、それを避け逃げ出すことはできません。

 

その社会生活リズムを無視して、寝だめをしても結局は質も悪い睡眠になったり、疲労が溜まったり、

体内時計のリズムを崩してしまう原因にもなります。

 

このことから、休日にいくら寝だめをしても、睡眠負債は完全には返済されず、翌週になっても睡眠不足が続いたまま、職場や学校へ向かうことになるのです。

 


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