催眠術による睡眠改善について

催眠術とは
催眠(さいみん)とは、他人(自分自身であることもある)によって与えられた暗示により、精神的変化、肉体的変化が引き起こされた状態のことである。催眠術(さいみんじゅつ)とも呼ばれる。 引用:ウィキペディア

催眠術は意識の状態を変えることを可能にする心理療法の1つの形態です。一部の医院では、メンタルヘルス改善、睡眠の問題、痛みの治療、または喫煙や過食などの不健康な習慣に取り組むために使用しているケースもあるようです。そして睡眠改善のための睡眠催眠術の目的は、良い睡眠を妨げる可能性のある否定的な考えや感情に対処することです。

 

睡眠催眠術療法は、患者が催眠状態に入るように促すために、医者はなだめるように話し、リラックスしたイメージを呼び起こすことによって、人が穏やかな状態に入るように促します。催眠術をかけられた人は、注意力が高まり、改善のための手がかりを探しやすい状態になるので、行動の変化や、痛みや不安に対処するための方法を見つけ出すことができる可能性が高まってくるということです。

 

いくつかの研究はプラスの効果を示していますが、十分な研究はまだありません。一部紹介していきます。

 

睡眠催眠術は本当に機能するのか?

 

睡眠の質を改善するのに役立つ

睡眠催眠術は徐波睡眠(深い睡眠)を長くし、睡眠の質を改善するのに役立つ可能性があることも研究により分かりました。

Sleep(睡眠に関する研究を掲載する毎月の医学雑誌)の2014年の研究

研究対象の参加者は、90分間昼寝する前に、催眠暗示聞いたところ、徐波脳波を80%も増加させることができたのです。さらに、参加者の夜間目が覚めることが約30%減少しました。

しかしながら、催眠術にかかりにくい人は有意な変化を示しませんでした。催眠術にかかりやすい人は、睡眠催眠術療法の後、より深く、より質の高い睡眠を経験したと結論付けられましたが、高齢者ではあまり効果的ではなかったということも分かりました。

有望な治療法になる

睡眠障害のための睡眠催眠術は、有望な治療法になる可能性があることを示唆されています。

対象となった58件の研究のうち58.3%が有益性があり、12.5%はまちまちな結果、29.2%が有益性が無かったということでした。

しかし研究は小規模なため、睡眠の質や持続時間に対する睡眠催眠の効果を完全に特定することはできないようです。(Journal of Clinical Sleep Medicine 2018年の研究)

睡眠催眠術と睡眠時随伴症

睡眠催眠術は、睡眠時随伴症(すいみんじずいはんしょう)や、夜驚症(やきょうしょう:睡眠時に悲鳴や叫び声をあげて突然覚醒し、極度のパニックを起こす睡眠障害)、夢遊病、金縛りなどの睡眠障害でもテストされています。

睡眠時随伴症(すいみんじずいはんしょう:パラソムニアともよばれる、睡眠中に起こる異常な行動のこと。身体が夢と一緒に反応し、行動します。睡眠中に大声でわめいたり、腕を振り回したり、足で蹴ったり、突然歩き出したり、隣で寝ているパートナーに迷惑をかけたり、自分自身も怪我をする場合があります。明け方の3~5時頃に起こりやすい特徴があります。)

 

睡眠催眠術療法でこれらの睡眠時随伴症を治療することの有効性をテストの結果があるので紹介します。 (Journal of Clinical Sleep Medicine 2007年の研究)

36人の研究対象者の患者は、訓練を受けた専門家との催眠セッションを受けた後、オーディオテープを持って家に帰り、1日1回(2週間)自宅で催眠セッションを行いました。その後、1か月、18か月、5年の追跡調査を行いました。

催眠療法セッションの1か月後、ほぼ50%が睡眠時随伴症がなくなり、または改善が現れました。

18か月後42.2%が大幅に改善、5年後は40.5%が改善しているままでした。8人の患者は睡眠催眠術をかけることができませんでした。

 

睡眠を改善するための治療方法は様々で、その人に合った方法を見つけ出すことが重要です。

また、睡眠障害にならないように毎日の睡眠習慣を適切な健康なものにしたいですね。


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