看護師の慢性睡眠不足の実態

看護師は、医療専門家の中で最も睡眠の問題を抱えていると報告されていて、慢性的な睡眠不足のため休息を必要としています。

調査の結果では、医療専門家の75%が睡眠の質の低下を経験していることが分かっていて、医療専門家の45%が中等度または重度の不眠症に苦しんでいることが報告されています。

36%が不眠症の危険性があり、よく眠っているのはわずか19%です。

これらの調査対象者のうち医師や救急隊員よりも、看護師は睡眠の問題を報告する可能性が最も高かったことも分かっています。

ほとんどの看護師の睡眠時間は心配なほど短く、看護師の86%の睡眠時間は一晩6時間未満です。

(Frontiers in Psychologyより-心理学の学術雑誌-)

これらの実態が深刻な結果をもたらすことを知ることが重要です。

 

交代勤務看護師はより大きなリスクにさらされている

毎晩4時間睡眠を14日間続けると、2日間完全な徹夜をした時と同じパフォーマンスになってしまいます。不注意、記憶喪失、判断力の低下などを引き起こす原因となってしまいます。

これは、交代制勤務により慢性的な概日リズムの乱れを引き起こしているため、日中の過度の眠気と睡眠のスケジュールが乱れて眠れないことを特徴とする不眠症で、

交代制勤務のリスクです。その結果、不安感、不注意、記憶喪失などに苦しむことを意味します。

 

交代制勤務の長期的睡眠不足だけでなく短期的睡眠不足の影響の懸念

医療従事者の70%が16時間以上起きていたことが指摘され、1日だけでも起きている時間が長すぎると、深刻な失敗や事故の発生のリスクが上がります。

17時間以上起きていると、血中アルコール濃度が0.05であるのと同じ程度の認知能力まで落ち込むことが分かっています。

下記の表で血中アルコール濃度の影響をご参考ください。

不眠症は、看護師を含む交代制勤務働者の一般的な問題なのですがその結果はどうなるのか?

 

交通事故

夜勤後には事故発生率が上がります。

(夜勤明けの事故発生率)

自動車事故を起こした 75%、

事故を起こしそうになった 80%

 

医療ミス

夜勤で働く人は、医療ミスが30%高いと推定されています。

慢性的に睡眠不足の看護師の危険は、患者にも危険にさらされてしまうリスクが上がります。

睡眠の質が悪い看護師は、十分に休んでいる看護師と比較して、投薬ミスを起こす可能性が3倍高いことがわかりました。

(WorkSafe Victoriaレポートより-事故補償委員会 オーストラリア-)

 

これらの統計は非常に危険性のある結果です。しかし、これは看護師のせいではないことを強調しなければなりません。

むしろ、長時間労働、不規則な睡眠習慣に強いられているのが問題です。

 

すぐに実行しやすい睡眠改善するための推奨事項は以下の通りです

質の高い就寝のための睡眠習慣

睡眠ホルモン、メラトニンの分泌のためにも、睡眠習慣をしっかりと確立させることが、絶対に不可欠です。

部屋をできるだけ暗くする

夜、就寝の準備為に室内の電気の明るさの工夫、遮光カーテンなどを使用し、ブルーライトを発するデバイスの使用を控えること。

朝は光を浴びる

目を覚ますときはいつでも、光を浴びることが必須です。特に慢性的な睡眠不足の人は、光にさらすべきです。

 

しかし、看護師など交代制勤務の方は難しくなります。

 

可能な限り、自分自身のためのメンテナンスの時間をつくることを心がけてみてください。

睡眠のため、体へのリラックスの時間を優先順位に上げてみることです。

例えば、瞑想の時間、ヨガクラス 等を試してみるなどその人に合った、気分を明るくリフレッシュさせる習慣を続けることです。


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