女性と睡眠

良い睡眠は、私たちの肉体的、精神的、感情的な幸福に不可欠です。平均的な成人は毎晩7〜9時間の睡眠が必要です。一晩でも睡眠不足は、日中の眠気、記憶力や集中力の低下、学校や職場でのパフォーマンスの低下を引き起こし、慢性的なになると、怪我、事故、病気、さらには死亡のリスクを高めます。

 

研究によると、仕事、介護責任の増加、家族的および社会的役割のために睡眠時間が少ないにもかかわらず、女性は男性よりも約11分多く眠る傾向があります。しかし、全体的により多くの睡眠をとっているにもかかわらず、女性が男性よりも質の悪い睡眠を経験することが発見されています。1つの理由は、女性が他人の世話をするために起きて睡眠を妨げる可能性が高いことが指摘されています。女性はまた、日中に昼寝する可能性が高く、夜間の睡眠の質を乱す原因になりかねます。また、女性の特有の生物学的状態は、生涯に渡って睡眠に影響を与え続けます。月経周期、妊娠、更年期障害など、ホルモンレベルの変化です。これらのホルモン、環境要因、生活習慣の影響を理解することは、女性が質の良い睡眠を取るのに役立ちます。

 

女性の睡眠障害
女性の睡眠障害

不眠症は最も一般的な睡眠障害ですが、女性は男性よりも約40%高い確率で症状が現れます。

女性の月経、妊娠、および更年期障害に関連するホルモンの変化は概日リズムを乱し、その結果不眠の一因となっている可能性があります。女性の不眠症の有病率は、閉経期に移行するにつれて高齢で著しく増加します。その原因には、ほてりと寝汗などによるものです。

また、女性は男性の約2倍の確率でうつ病を発症します。うつ病は、睡眠障害を伴う場合が多くうつ病と睡眠の相互に関係し合っています。

 

女性と男性の睡眠の違いについて
女性と男性の睡眠の違いについて

女性は男性よりも眠りにつくのに時間がかかる傾向があり、年配の女性はより強い昼間の眠気を感じ、一晩あたりの睡眠が男性よりも20分少なくなります。

高校生の間女性は、男性よりも一晩に推奨される8時間の睡眠をとる可能性が有意に少なくなり、その原因として女性の3分の1は、月経周期中にけいれん、頭痛、膨満感を引き起こすからです。これらは睡眠に悪影響を与えます。

 

月経周期の睡眠
月経周期の睡眠

女性は生理前の週に睡眠の質が低下をする可能性が高くなります。また、PMSの女性は、悪夢、眠気、倦怠感、集中力の低下なども症状が現れます。

*月経前症候群(PMS)とは?

月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するものをいいます。精神神経症状として情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害、自律神経症状としてのぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感、身体的症状として腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなどがあります。

 

妊娠中の睡眠
妊娠中の睡眠

女性は妊娠中、ホルモンの突然の変化で、むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)(*じっとしているときの足の異常な感覚がわずらわしく感じられ、脚を動かさずにはいられなくなる病気)、睡眠時無呼吸、痛み、失禁の症状がより頻繁に起こります。これらの睡眠障害は、ホルモンレベルが低下する産後まで続きます。また新生児の育児で、睡眠の質と日中の眠気を悪化させる可能性があります。

 

睡眠の問題は女性の間で一般的であり、生涯を通じて強度が変化します。女性は睡眠の問題を男性とは異なることを認識することも必要です。

まずは、対策として、日中の昼寝を避け、カフェイン、アルコール、ニコチンの摂取を制限してください。定期的な運動を行い、一貫した睡眠スケジュールに従ってください。寝室をできるだけ涼しく、暗く、静かにすることです。そして、自分自身の睡眠を向き合うことです。

 

 


  • プライバシーポリシー
  • 特定商取引法に基づく表記