妊娠中のストレス、うつ病、不安は、子どもの精神障害、自閉症等を発症させるリスクが2倍に増加

新しい研究は出生前の脳の発達にや、自閉症やADHD (ADHD注意欠如・多動性障害)の状態がどのように発生するかも明らかになり始めています。

2017年に初めて行われた研究では(ニューヨーク大学の小児神経科学者モリア・トマソンが率いる研究者チームによる研究)32人の胎児の脳領域間の神経伝達のパターンが調査され、妊婦の半数は早産のリスクが高く、14人の赤ちゃんは最終的に早産でした。早産は約半数近くあることがわかります。その数は予想以上に多いと感じます。そして、早産で生まれてくる赤ちゃんは後に認知および感情的な問題の危険因子の可能性が高まる可能性がありました。このトマソンの研究では、脳の問題が子宮内から始まるという最初の証拠を見いだしました。

早産児は満期で生まれた胎児と比較すると様々な脳領域間活動が弱いことが分かってきました。

早産児は、

・神経的異常を発現する可能性が5倍高い

・学校で上手くいかない経験する可能性が3〜4倍高い

 

2021年の研究で、早産児は、満期産の乳児のグループと比較して、子宮内にいる間の脳容積が低く、脳脊髄液が少ないことを発見しました。

また、早産で出産した女性は、羊水や胎盤組織の細菌感染やウイルス感染によって引き起こされる高レベルの炎症を起こしていることがわかっています。この発見は、妊娠中の体内の炎症が胎児の脳の発達を変化させる可能性があるという証拠です。

妊娠中に重度の感染症にかかった母親は自閉症の子供を産むリスクがわずかに高いことが示されています(出生前の感染だけが実際に自閉症を引き起こす可能性があることはまだ明らかではありません。)

その他多くの研究で、妊娠中の母親の重度の不安とうつ病を患っていた場合は、子どもが後年に精神障害を発症するリスクの2倍の増加と関連していることがわかっています。

 

コロンビア大学の臨床心理学者クラウディア・ルーゴ・カンデラスの研究は、妊婦のストレス、ライフイベント、うつ病、不安が初期の脳発達にどのように影響するかに焦点を当てています。

有給の産休など、妊娠中の苦痛を効果的に最小限に抑える介入は、次世代にとって有益であるとかなり確信しています。それが学校やメンタルヘルスなどの他の分野でより良い結果につながる可能性があり、それは生涯にわたって影響を与える可能性がある(ラウディア・ルーゴ・カンデラス)

 

妊娠中はストレスを感じやすく、そのストレスにより母体に影響を与え、胎児にまで影響を与えてしまいます。妊娠中のストレス対策にも十分な質の睡眠はストレス対策になります。リラックスをして快適な睡眠がとれるように心がけることとても重要なことです。


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