夜勤が体にどのように影響するか

夜勤労働者は、世界のシフト労働力の約20%を占めて、夜勤は、自然な睡眠サイクルに逆らうことになるので、身体に負担をかけ、長期的に悪影響を与える可能性があります。

夜勤を含むシフト勤務の場合、健康的な睡眠スケジュール維持することが、非常に難しい場合があり、そのことで時間が経つにつれて、不眠症の症状や勤務時間中の過度の疲労につながる可能性があります。

このような障害は、認知的および身体的に影響を与えるだけでなく、職業上のパフォーマンスを妨げ、ミスや事故の一因となる可能性が高まります。

健康的な睡眠習慣を維持するための効果的な方法で、健康と生産性を促進していくことが必要です。

夜勤の体への影響
夜勤の体への影響

糖尿病や肥満などリスクが高まります。

健康な概日リズム(約24時間の生体リズム)は、代謝に影響を与える特定のホルモンの放出を促進します。そのリズムが中断されたり、乱れてしまうと、体の代謝能力が大幅に変化します。これらの問題は代謝障害、善玉コレステロールの低下、空腹時血糖値の上昇、高血圧につながる可能性があります。

 

夜勤の脳への影響
夜勤の脳への影響

夜勤の仕事は、ストレスの多い労働条件の結果として、緊張、過敏性、不安などのメンタルヘルス問題のリスクを高めることも示されています。

その大きな原因の1つとして質の良い睡眠の欠如です。

私たちは眠っている間、脳と体は休息し体のメンテナンスをします。しかし、その睡眠時間が十分でないと、私たちの脳は修復して日中の記憶の処理をする機会を得ることができません。

研究によると、睡眠サイクルの乱れは、脳機能の障害、刺激に対する反応が遅くなる、記憶力と感情制御の障害、早期の認知機能低下、アルツハイマー病につながる可能性があります。

 

なぜ夜勤が体と脳に悪影響を与えるのか
なぜ夜勤が体と脳に悪影響を与えるのか

なぜ私たちの体と脳は夜勤の影響をそれほど受けているのでしょうか。それは、体内時計を混乱させて概日リズムが乱れてしまうからです、それにより様々な健康障害を引き起こす可能性があります。

例えば、生理学的変化の1つ、メラトニン産生への悪影響です。メラトニンは、睡眠ホルモンだけではありません。抗酸化物質でもあります。抗酸化物質は、心臓病、がん、およびその他の病気に関与する可能性のあるフリーラジカル (*フリーラジカルは、体を酸化させ、様々な病気やガンの原因ともいわれて、増えすぎてしまうと健康被害をもたらします。) から細胞を保護する可能性のある物質です。概日リズムの乱れはメラトニンの生成を妨げ、細胞保護のための重要な化合物を体に少なくします。

 

また、これらの夜勤により体への悪影響は、長期間続くことが研究により分かっています。ある研究では、被験者の睡眠と覚醒のサイクルが正常に戻ったにもかかわらず、睡眠と覚醒のリズムに持続的な変化が、しばらくの間、観察されたことが示されました。

 

 

では夜勤の身体への影響を減らす対策はあるのでしょうか。

「夜勤の仕事の悪影響を減らすための対策」 に続く。


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