2020/07/01
水分不足にご用心!
成人の体はおよそ60%が水分で、できています。そして赤ちゃんはおよそ76%といわれています。赤ちゃんの肌がプルプルなのが、水分量に関係していると考えると納得です。
人間の多くの部分を占めているということを考えると、水は大切な物質だというのが分かります。
水分は腸から吸収されて血液などの体液となって絶えず循環しています。この体液は私たちの生命活動にかかわる様々な役割を果たしています。
栄養学の博士、アン・グランジャンは、『水は人間にとって最も重要な栄養素』だと言っています。
水分の役割
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体内に取り込まれた酸素や栄養素を細胞まで運んだり、代謝で出た老廃物を腎臓へ運ぶ運搬の役目をします。
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体温調節にとても重要な役割を果たします。水は温まりにくく冷めにくい性質があるので、水でできている私たちは体温を一定に保つことができます。
夏の暑いときの運動時は汗をかき、熱を放散することで体温の上昇を防いでいます。
これらの役割を果たせる物質は水以外にはありません。
水分はずっと体内に溜まっているわけではなく、尿・汗・呼吸で絶えず体の外に排出されています。
ガラスに息を吹きかけてくもるのは、息とともに水分がガラスについて結露するからです。
普通に生活しているだけでも1日に2.5Lもの水が失われています。
これを補うために食事や飲み物から水分を取り入れていれて水分バランスを保っています。
もしも水分を全く摂らなくなると?
段階①
体内から1%水分が不足すると
喉が渇きます。
喉の乾きは脱水が始まっているサインです。
段階②
体内から5%水分が不足すると
血液量が減り血圧が低下します。
必要な栄養素が体に行き渡らなくなります。
汗をかく力も低下し、体温調節が上手くいかなくなり、体温上昇やめまい頭痛などの様々な症状を引き起こします。
段階③
体内から10%水分が不足すると
血の巡りが悪くなり、臓器の機能は低下、筋肉のけいれん、腎不全などを引き起こします。
段階④
体内から20%水分が不足すると
意識が失われ死に至ります。
体重60Kgの人の体内水分量の20%は7.2Kgですので、1日に2.5Lずつ失われていくので、たったの3日で水分がなくなってしまい、死に至る計算になります。
実際に何も飲まず食わずの状態だと、汗や尿の量をへらして体内の水分を確保しようとするので、もう少し長く生きられるかもしれませんが、それでも1週間が限界だと言われています。
少しの水分不足でも、食欲が落ちる、栄養不足で疲れやすくなる、頭が働かずボーっとするなど、日常生活レベルで影響することがあります。
水分不足を確認する方法
尿の色が濃い黄色の場合は脱水症状の疑いがあるという事が分かります。尿が凝縮されて濃い状態になるためです。
起きたばかりや長時間運動のあとは尿が濃くなることがありますが、これも水分不足の影響です。
尿が濃いと感じたら水分を摂るように心がけたいですね。
水分を過剰摂取すると?
いくら重要とはいえ何事も加減が必要です。
水分の過剰摂取は水毒症と言って頭痛や吐き気、嘔吐などを引き起こす恐れがあります。重症化すれば、けいれんや昏睡、最悪の場合死に至ることもあるといわれています。
1日に摂取する水分量の目安として、グラス8杯分(約2L)と言われていますが、性別や年齢などによって 必要な量は変わってきます。
適度な水分量を維持するためには、1日の摂取量にノルマを課すよりも自分の体が発するサインに耳を傾けることが重要かもしれませんね。
睡眠中の「寝汗」について
体内の水分変化は睡眠中にも起こっています。季節に関係なく、寝ているあいだに約コップ1杯分(約180〜200ml)汗をかくといわれています。
夏でも冬でも寝汗をかくのは、「深い睡眠をとるため」に脳の温度を下げる必要があるからです。
そのために汗をかくのが入眠時。これは、快眠には不可欠な汗です。この入眠時の汗をかかなければ、脳温が高いままでスムーズに入眠できません。
例えば、入浴してすぐに寝ようとすると脳も含めて身体全体の温度が高い状態なので寝つくのに苦労します。
脳温が高いまま寝ようとすると、身体が一生懸命温度を下げようとするので、余計にたくさん寝汗をかくことになります。