2020/11/12
JMMA『不眠』から抜け出したい!⑥
前回のお話し
詳しくはこちら⇒JMMA『不眠』から抜け出したい!⑤
で、不眠症と睡眠不足は、全く異なる病気と定義とされていることをお伝えしました。
しかし、睡眠不足大国・日本では両方を抱え持つ人がいます。
不眠症の人が睡眠不足に陥ったり、もともと睡眠不足の人が加齢やストレスなどで不眠症を発症してしまうからです。
疲労や眠気をはじめ、不眠症と睡眠不足には似通った症状が多く、本人が訴える症状だけでは見分けがつかないのです。
では、なぜ症状の判断基準が難しいのでしょうか?
不眠症と睡眠不足の区別が難しい理由
不眠症と睡眠不足の区別が難しい理由
不眠症の症状の1つ熟眠障害の症状は、睡眠不足の人も、朝起きた時同じような症状がでる
睡眠不足の人は、深い睡眠が保たれているにもかかわらず、
総睡眠時間不足で、睡眠充実感が乏しくなり朝の目覚めは悪く、不快感があります。
参照不眠の症状とは?(不眠の症状は主に4つのタイプに分けられます)
①入眠困難(寝つきが悪い)
②中途覚醒(途中で目が覚める)
③早朝覚醒(明け方に目が覚める、望む時間よりも早く目が覚める)
④熟眠障害(睡眠の質が悪い、眠った気がしない、朝起きても疲れが取れていない)
*熟眠障害は曖昧で、診断しにくいと言われています。
不眠を訴えて受診してくる方の中で、治療によって①〜③の不眠の症状(上記参照)がある程度改善しても熟眠障害が持続する方が多いのですが、この原因が睡眠不足であることが多い
これは、不眠症の治療だけでは解決できないのですが、本人が不眠症状だと信じて疑わないため、治療に時間がかかる場合があります。
睡眠ポリグラフ検査をすることで、睡眠の状態がよくわかり診断の基準になるのですが、この検査を行える施設はごく限られており、国内に約800万人いる慢性不眠症患者に対応することなど到底できないのです。
参照睡眠ポリグラフ検査:睡眠障害の診断に用いられる検査の一つで、睡眠時における脳波、呼吸、脚の運動、あごの運動、眼球運動(レム睡眠とノンレム睡眠)、心電図などを調べることができる
自分自身で不眠症と睡眠不足かを調べるために、
平日と休日を含めて2週間ほど日々の睡眠習慣を睡眠日誌として睡眠の記録する方法があります。
そうすることで、自分の睡眠のかたちが見えてきます。
睡眠不足が疑われる人に見られる傾向→週末や休日の寝だめ(リバウンド)が見られる
不眠症が疑われる人に見られる傾向→日々のストレスに睡眠時間が影響されつつも総睡眠時間は短く、寝だめは目立たない。
(ご自分の睡眠に不安を感じる人は、睡眠の記録を付けて主治医に相談してみることをおすすめいたします。)