2021/07/17
驚くべき事実が判明!睡眠と近視の関係
近視とは・・
私たちの目は、5m以上離れたところを見ているときがリラックスしている自然な状態です。それに対して、リラックスした状態で網膜より手前で像を作ってしまうのが近視です。近視は目の長さ(角膜から網膜に到達するまでの距離)が長すぎたり、角膜や水晶体の屈折する力が強すぎたりするのが原因です。
近くのモノははっきりと見える一方、遠くのモノはぼやけて見えます。
様々な研究やレポートで近視の人が増え続けていること明らかになっており、例えば、世界保健機関(WHO)は2050年に世界人口の約半数にあたる50億人が近視になるとのレポートを公表しています。
日本では子どもの近視が増えており、2020年にNHKが約600人の小学生を対象に行った調査では、全体の半数以上、6年生ではなんと8割近くが近視という結果でした。
オンライン授業で習慣になったデジタルデバイスによる学習が定着したことなど、近視のリスクが高いままの状態にさらされていることは問題です。
実は、この近視が 睡眠ホルモン、メラトニンの産生に関連している ということが分かったのです。
オーストラリア南部・フリンダース大学で、視機能を研究する調査が行わたその実験内容は、唾液と尿を採取し、睡眠5時間前から起床時までのメラトニン濃度の変化を検証するというものです。
対象者は、近視症状を持つ人々18名と正常な視覚を持つ14名です。
結果は、
近視の人の尿中のメラトニンレベルはそうでない人と比べて大幅に少なく、
さらに近視の人は、1時間12分位相遅延を示しました。
これは、メラトニン生成のピークが平均で1時間12分ほど遅れ、睡眠サイクルが後ろにずれてしまうということです。睡眠学術誌(Sleep Research Society論文2020年10月発表)
近視の人は、
1:入眠の遅延
2:入眠潜時(覚醒状態から眠りに入るまでの所要時間)の増加
3:睡眠時間の短縮
4:夕方型になる(朝よりも夕方になると活動的になる)
ということが明らかになりました。
体内時計と人間の近視
こうした研究の発見は、人間の体内時計と近視に結びつきがあることを示していると結論付けています。
寝る前のスマホなどのブルーライトの影響で、メラトニンが分泌抑制されます。
そして、この過度のブルーライト端末の使用が、
長期的には近視を招き、さらにメラトニンの分泌を抑制し眠りにくい体質になってしまうということが分かったのです。睡眠にとって重大な問題になりかねません。
メラトニンの分泌を抑制しない生活習慣を心掛ける必要があります。
目を大切にする生活習慣、そして睡眠習慣しっかりと整えましょう。