質のよい睡眠を得るための一日の過ごし方

2,000人以上の成人を対象した睡眠に関する調査では、半数以上がパンデミック中に睡眠障害を経験したと答えています。

入眠、中途覚醒の問題がある→約57%

夜間の睡眠の質が低下→約46%

不快を感じる夢を見ている→約36%

(米国睡眠医学アカデミー、2021年3月の調査による)

 

 

ピッツバーグ大学医学部の精神医学教授、ダニエル・J・バイッセ氏は

“パンデミックのストレスと孤独感、身体活動の減少、いずれも睡眠に良いことではない”

と睡眠の問題の原因を示唆しています。

 

また、睡眠医学の専門家は、

“夜にどれだけ質のよい睡眠をとるかは、日中何をするかによって異なってくる”

と言います。

 

パンデミックの不安な日々は眠れない夜につながっているのは確かです。

この改善方法として、日中の過ごし方の修正です。

では、具体的に何をすればいいのでしょうか?

 

その、休息の取れる夜の睡眠をとるための日中の行動のヒントを紹介します。

 

  • 1日の始まりの起床時間について

週末を含む毎日の起床時間を1時間以上変わらない同じ時間にすること。

 

できるだけ早い朝に朝日を浴びて、脳と体に朝を伝えることが必要です。

これにより、睡眠ホルモン、メラトニンを抑制する時間であること脳に伝え、昼間の行動が始まります。

 

 

  • 食事、運動、仕事の時間について

食事、運動、仕事の開始、終了時間を定期的に保つこと。

 

これは、睡眠リズムに役立つ体内時計を正常にすることが出来るからです。

 

しかし、今多くの人が生活の中の区切りがなくなりつつあります。

これは、リモートワークの人に当てはまりがちなのですが、仕事の始業、終業時間がはっきりしなくなり、仕事のスイッチのオンとオフがなくなってしまい、脳がいつもオンの状態になってしまいます。これでは、体内時計が崩れてしまいます。

また、自宅で働くようになった人は日中は十分に動いていないことが多く、睡眠に悪影響を与えてしまうので日中の運動を取り入れることが必要です。

 

最もよく眠るためには、活動的な昼間の行動と非活動的な夜の明確な区別をつけることです。

効率的に、昼間の活動を活発にするためには、昼間の覚醒を高めるための午前中の運動を取り入れることです。

午後に運動する場合は、就寝の少なくとも4~6時間前に行うようにするようにしましょう。

なぜなら、運動は体温を上昇させ、体温が高いと睡眠を妨げる可能性があるからです。

 

 

  • カフェイン・アルコールの摂取時間について

個人差はありますが、午後の遅い時間のカフェイン摂取は控えるべきです。

敏感な人はチョコレートも睡眠に影響をあたえてしまう場合があるそうです。

スポーツドリンクやゼリー飲料にも、気づかないうちにかなりの量のカフェインを摂取しているかもしれませんので飲む時間などに気を付けてください。

 

アルコールは飲むと眠くなりますが、3~4時間後には逆に目が覚めてしまうのでこちらも、睡眠のためには飲む量と時間も考える必要があます。

 

  • 昼寝の時間について

眠くなっても昼寝は控えるほうがいいのですが、昼寝なしでは一日を乗り切れないと感じたら、

早い午後の時間に20分間以下で昼寝を取り入れましょう。

 

デトロイトのウェイン州立大学医学部の内科の教授兼会長であるM.サフワン・バドルは、

「昼寝は夕食前にピーナッツバターのサンドイッチを食べるようなものです」と言っています。

これは、せっかくの夕食の前に、サンドイッチを食べることで食欲をなくしてしまい、

夕食を台無しにしてしまうのと同じように、昼寝を取り入れることで夜の睡眠のための睡眠欲求を台無しにしてしまうということです。

 

 

睡眠は健康のため、明日のためのとても重要な休息時間です。その睡眠のためには、昼間の行動、生活習慣も切り離せないとても重要なことなのです。

睡眠は明日の活動のために、昼間の活動は夜の睡眠のために必要です。


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